介護現場を知り 共に歩む


現在、介護現場は存続の瀬戸際に立たされています。物価や光熱費が高騰する一方で、サービス価格が国による「公定価格」で固定されているため、多くの事業所が赤字や倒産に追い込まれています。この収益の悪化は、責任の重さにそぐわない低賃金構造を固定化させ、志を持った専門職が現場を離れる「人材の空洞化」を加速させています。

 

現場をさらに追い詰めているのが、サービスを受ける側との意識のズレです。介護保険制度は利用者の「自立支援」を最大の目標としていますが、現場ではスタッフを「安く使える家政婦」や「召使い」のように扱うケースが後を絶ちません。専門外の過剰な要求や、暴言・暴力といったハラスメントは職員の心を折り、結果として地域のケア供給力を奪うという悪循環を招いています。

 

訪問介護においては、過酷な天候下での移動や不衛生な環境での作業など、身体的・精神的なダメージが日常化しています。こうした「目に見えない負担」を抱えながらも、彼らは利用者の生活を支える「最後の砦」として孤軍奮闘しています。

 

私たちが将来にわたり質の高いケアを受け続けるためには、介護従事者を「共に歩むパートナー」として尊重することが不可欠です。制度の限界を正しく理解し、専門性を評価して感謝を伝え合うこと。この協力体制の構築こそが、誰もが安心して最期まで自分らしく生きられる社会を守る唯一の道となります。


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