現代の介護現場では、実親との不健全な関係性が「毒親の介護」として深刻な課題となっています。特に「家事や世話は娘がやるもの」という古い価値観に基づき、娘を無料の介護要員と見なす親の意識が問題の根底にあります。息子は僅かな手伝いで賞賛される一方で、日常の世話を担う娘には感謝がなく、むしろ「気が利かない」と攻撃の対象にされる格差が顕著です。
支配的な親は子供を一個の人間として尊重せず、自身の不安や不満をぶつける「感情の捌け口」として扱う傾向があります。子供側には着信音だけで動悸がする、過去のトラウマが蘇るといった深刻な心身の拒絶反応が現れることも少なくありません。親の「他人は嫌だ」というわがままや、子供の仕事を軽視する態度が、家族を共倒れの危機へ追い込んでいます。
この状況を打破するには、早期に地域包括支援センターへ相談し、公的サービスの介入を優先することが不可欠です。排泄や入浴といった負担の大きいケアはプロに委ね、家族が直接手を下さない体制を整えるべきです。また、身元保証や後見制度などの法的手続きを専門家に委託し、自らが責任を負う立場から離れることも有効な自衛策となります。
「親を捨てるのは恩知らず」という世間の精神論に縛られる必要はありません。自身の生活を守るために物理的・精神的な距離を置くことは、決して冷酷な行為ではなく、生存のための賢明な決断といえます。
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